概要
PatentSight+における特許ポートフォリオのオーナー(Owner)は、最終権利者(Ultimate Owner)コンセプトに基づいて定義されます。ただし、分析によっては子会社のポートフォリオを抽出する必要があります。
本記事では、Swatch Group の子会社である Omega を例に、特定の子会社に属する特許ファミリーの抽出・保存・活用方法を説明します。
例:子会社ポートフォリオを抽出するための検索パネルの設定
例:タグ(Tag)を用いたオーナー(Owner)と子会社の比較分析
下図は、オーナー(Owner)と子会社タグ(Tag)を併記して可視化した例です。
子会社のポートフォリオを抽出するには、持株会社を検索条件に追加し、検索項目「出願人(Applicant)」と「譲受人(Assignee)」を使用します。
注意:本手法は、子会社が親会社名ではなく自社名で出願している場合に有効です。子会社が親会社名や異なる名義(例:発明者名)で出願した特許は、本手法では抽出できません。
1. 検索パネルに検索項目「オーナー(Owner)」を追加します。
2. 検索項目「オーナー(Owner)」で Swatch を選択します。
これで Swatch の特許ポートフォリオが検索パネルに追加されました。
3) [もっと見る(+More)]をクリックし、検索項目「出願人(Applicant)」を追加します(「権利者情報(Ownership)」セクション内)。
あるいは、「検索項目の追加(Add Search Field)」ウィンドウ左上の検索ボックスから直接項目名を検索できます。
4. 子会社名「Omega」を含むすべての出願人(Applicant)名を検索・選択します。「✔ 全てを選択する(Select All)」を使うと該当名を一括追加できます。
注意:出願人(Applicant)名は名寄せされていません。異表記・翻字・誤記は公報の原文どおりに表示されます。
また、子会社のさらに下位の子会社がある場合は、それらも手動で選択してください。
これで、現在の最終権利者(Ultimate Owner)が Swatch で、かつ元の出願人(Applicant)が Omega の特許ファミリーに絞り込まれました。
5. 「More」をクリックし、検索項目「譲受人(Assignee)」を追加します(「権利者情報(Ownership)」セクション内)。これは、発明者名で出願され後に企業へ譲渡された特許(例:米国出願)も考慮するためです。
こちらも「検索項目の追加(Add Search Field)」ウィンドウ左上の検索で項目名を探せます。
6. 子会社名「Omega」を含むすべての譲受人(Assignee)名を検索・選択します。「✔ 全てを選択する(Select All)」で一括追加できます。
注意:譲受人(Assignee)名も名寄せされていません。異表記・翻字・誤記は原文どおりです。下位子会社がある場合は手動で選択してください。
ここまでの設定で、検索パネルは次のようになります。
7. 検索パネル内をクリックしてカーソルを置き、以下のとおり既定のブール演算子を編集します:
- 「Applicant [...]」と「Assignee [...]」の間の
ANDをORに置換します。 - 「Applicant [...] OR Assignee [...]」全体を括弧
()で囲みます。
以上で、現在の最終権利者(Ultimate Owner)が Swatch AND 「出願人(Applicant)が Omega」OR「譲受人(Assignee)が Omega」のいずれかに該当する特許ファミリーへ結果が限定されます。
抽出した子会社ポートフォリオを保存する方法
ここでは、検索条件の保存と、検索結果をタグ(Tag)として保存する方法を説明します。
「保存済み検索式」に検索式を保存する
後日結果を更新できるように、検索は「保存済み検索式(My Saved Searches)」へ保存することを推奨します。保存検索の使い方は関連ヘルプをご参照ください。
1. 検索パネルのツールバーで「保存」アイコンをクリックします。
2. 検索に名前(例:「Omega」)を付け、「✔」をクリックして保存します。
検索結果をタグ(Tag)として保存する
解析で抽出ポートフォリオを使いやすくするため、該当特許ファミリーをタグ付けすることを推奨します。タグ(Tag)は検索項目、テーブルのグルーピング項目(Vertical Grouping)、チャートのグルーピング項目(Attribute)として利用できます。
1. 検索パネル下部の「タグ(Tag)」アイコンをクリックします。
2. 「タグの新規作成(Create New Tag)」をクリックします。
「検索条件に一致する失効特許ファミリーを含める(Include Inactive Families Matching the Search Criteria)」ことを推奨します(デフォルトで選択済み)。これにより、タグ付けしたポートフォリオの推移を長期で確認できます。
3) 保存先フォルダを選択し、タグ名(例:「Omega」)を入力して「確定(Confirm)」で保存します。
注意:タグ(Tag)は一定程度スタティックです。タグ付けした特許ファミリーの情報(リーガル・ステータス、権利者状況など)は PatentSight+ の更新に伴い刷新されますが、タグ自体は自動更新されません。条件に合致する新規特許が PatentSight+ に追加されても自動でタグに加わらず、条件から外れた特許も自動では除外されません。条件に基づく集合を効率的に最新にしたい場合は「保存済み検索式(Saved Search)」を、将来まったく同一の集合を再利用したい場合は「タグの作成」を選んでください。
抽出した子会社ポートフォリオを分析する方法
検索パネル(Search Panel)の設定
作成したタグ(Tag)を検索項目として追加し、抽出ポートフォリオをひとつのグループとして分析します。
1. ゴミ箱アイコンをクリックして、検索パネルの設定をクリアします。
2. ツールバーの「Tag」をクリックし、作成したタグを選択します。
検索パネルは次のようになります。
解析テンプレート(Analysis template)の選択
既定では多くのチャートやテーブルはオーナー(Owner)でグルーピングされていますが、タグ(Tag)でグルーピング済みのテンプレートも用意しています。テンプレートパネルの「分析テンプレート(Analysis templates) → Enterpriseテンプレート(Enterprises Templates) → グルーピング(Groupings) → タグ(Tag)」から選択できます。
1. 任意のテンプレートを選択します(例:Patent Asset Index トレンド)。
2. 他の項目でグルーピングされたテンプレートを使う場合や、チャート/テーブルを新規作成する場合は、設定でグルーピング項目を「タグ(Tag)」に変更します。
オーナー(Owner)とタグ(Tag)を1つのチャートに表示する
バブルチャートは2つのグルーピング項目を同時に可視化できます。これにより、オーナー(Owner)とタグ(Tag)を同時に表示できます。
1. 新しいシートを追加します。
直前のシートの検索式は新しいシートにも自動適用されます。
2. 任意のオーナー(Owner)(例:Swatch)を検索パネルに追加します。
3. タグとオーナーの積集合に限定しないよう、ブール演算子 AND を OR に置換します。
4. 解析テンプレートからバブルチャート「質と量の対比(Quality and Quantity)」を選択します。
5. チャートをクリックして選択します。
6. 右上の歯車アイコンからチャート設定を開きます。
7. 「追加バブル(Additional bubbles)」で「タグ(Tag)」を選択します。必要に応じて「バブル軌跡を表示する(Show bubble trails)」にもチェックを入れます。
これで、Swatch Group 全体のポートフォリオと、子会社 Omega のポートフォリオの経年変化を同一チャートで比較できます。
子会社の特許をオーナー(Owner)ポートフォリオから除外する方法
上述のタグ(例:「Omega」)を用いて、オーナー(Owner)「Swatch」のポートフォリオから Omega の特許を除外できます。
1. 新しいシートを開き、以下のように検索パネルを設定します。
Omega の特許ファミリーを Swatch から除外するには、ブール演算子 AND NOT を使用します。
2. 検索パネル下部の「タグ(荷札)アイコン」をクリックします。
3. 「タグの新規作成(Create New Tag)」をクリックします。
「検索条件に一致する失効特許ファミリーを含める(Include Inactive Families Matching the Search Criteria)」ことを推奨します(デフォルトで選択済み)。
4. 保存先フォルダを選択し、タグ名(例:「Swatch (w/o Omega)」)を入力して「確定(Confirm)」で保存します。
5. 新しいタグを検索パネルに追加します。
必要に応じて、他のオーナー(Owner)やタグ(Tag)も検索パネルへ追加できます。
これにより、子会社 Omega の特許を含まない場合に、Swatch のポートフォリオが競合環境でどの位置づけになるかも併せて確認できます。