この記事の内容
- PatentSight+の既存のタグ(Tag)をProtégéで利用し、用途に合わせて整理した特許ポートフォリオを分析対象に指定する方法を説明します。
- Protégéの会話に1つ以上のタグを追加し、プロンプト内で正しく指定する方法を紹介します。
- タグにオーナー(Owner)、出願日(Filing Date)、管轄(Jurisdiction)、技術分類、他のタグなどの条件を組み合わせ、分析対象を絞り込んだり比較したりする方法を紹介します。
- プロンプト例を紹介し、タグの共有や、Protégéでタグを利用する際にできること・できないことなど、よくあるご質問に回答します。
Protégéで利用するタグの概要
PatentSight+で作成したタグ(Tag)は、Protégéで分析対象を絞り込む条件として利用できます。競合企業に関する特許群の抽出、戦略上重要な技術分野の特定、ライセンスや買収の検討に向けた特許ファミリーの整理など、いずれも、どの特許を同じグループに含め、どの特許を除外するかという判断に基づいています。その判断には時間を要し、通常は組織がポートフォリオをどのように捉えているかが反映されています。
タグは、ほかのフィルターと同様に機能します。分析対象の特許ファミリーを絞り込みますが、利用できる分析の種類は変わりません。タグで絞り込んだ特許ファミリーは、件数集計、ランキング、KPIの要約、推移分析、ポートフォリオの各種指標を用いた分析に利用できます。
Protégéのタグ機能は、ポートフォリオの範囲、競合の監視対象、戦略上重要な技術分野、ライセンス候補などの特許リストを、チームで既にPatentSight+のタグとして管理している方に適しています。また、文章による説明から作成した特許群ではなく、関係者間で合意した特定の特許群を対象に分析したい方にも役立ちます。
なお、タグの管理は引き続きPatentSight+で行います。Protégéは既存のタグを読み取りますが、現時点ではタグの作成、編集、付与、削除はできません。この記事では、Protégéの分析にタグを取り入れる方法、タグを利用するプロンプトの書き方、利用上の制約を説明します。
会話へのタグの追加
タグは、プロンプトバーのメニューから会話に追加します。追加したタグは会話に紐付けられ、プロンプト内でタグ名を指定して利用できます。
利用手順
1. メニューを開きます。
プロンプトバーの「+」アイコンを選択するか、スラッシュ(/)を入力します。どちらの操作でも同じメニューが開きます。「PatentSight+」の下にある「タグ(Tag)」を選択します。
2. 利用するタグを探します。
「タグを追加(Add Tag)」ウィンドウには、利用可能なタグが一覧表示され、各タグ名の横に、そのタグに含まれる特許ファミリーの件数が表示されます。タグが多い場合は、「検索(Search)」ボックスで絞り込めます。自社の他ユーザーから共有されたタグも、自分のタグとともに表示されます。表示されるタグは、PatentSight+で表示されるものと同じです。
注: 以下に表示される特許ファミリーの件数には、タグ付けされた特許ファミリー(生存特許ファミリー(Active Patent Family)、失効特許ファミリー(Inactive Patent Family)、またはその両方)が含まれます。
3. 1つ以上のタグを選択します。
利用する各タグのチェックボックスをオンにし、「追加する(Add)」を選択します。タグがフォルダ(Folder)内にある場合は、そのフォルダを選択することで、フォルダ内のすべてのタグを分析対象として選択できます。
タグ名と、生存/失効(あるいはその両方)を含む特許件数が表示された「タグを追加(Add Tag)」ウィンドウ。
選択したタグが会話に追加されます。その後、プロンプトを入力できます。
注: タグを利用するには、あらかじめタグを選択してプロンプト入力欄に追加する必要があります。プロンプトにタグ名を入力するだけでは、分析対象はそのタグに絞り込まれません。必ずプロンプトバーの左側にある「+」メニュー、またはプロンプト入力欄に「/」を入力して開くメニューからタグを追加し、そのタグをプロンプト内で指定してください。
タグとほかのフィルターを組み合わせるプロンプトの作成
4. プロンプトバーにタグを追加したら、通常どおり、ほかの対象範囲や条件をプロンプトに記載します。
Protégéはプロンプトから検索条件を組み立て、タグに紐付けられたポートフォリオを基準として利用します。タグの対象は、オーナーのポートフォリオ、技術分野、またはPatentSight+で管理している任意の特許ファミリーのリストです。質問の内容に応じて、Protégéは検索結果をタグの対象と比較したり、タグを起点として、そのタグに含まれない新たな結果を探したりします。
上の例では、「Competitor Watchlist(競合ウォッチリスト)」タグを起点として、次のプロンプトを入力しています。 「『Competitor Watchlist』タグを基に、過去3年間の出願動向から、新たに注視すべき企業を教えてください。」
Protégéは、タグに含まれる企業が扱う技術分野を把握し、同じ分野で出願しているほかのオーナーを検索します。既にタグに含まれている企業は除外されます。その後、新たに見つかった企業を出願活動とポートフォリオの強さに基づいて順位付けし、各企業を注視すべき理由を説明します。最後に、分析結果を要約します。
注:Protégéは、対象範囲について置いた前提を回答の冒頭で明示します。これにより、分析の考え方や進め方、分析に適用された前提や制約を確認できます。
Protégéは、グラフや表が示す内容を説明し、主要なインサイトを示したうえで、次のアクションを提案します。追加の質問をすることで、会話を続けられます。
注: 一度会話に追加したタグは、Protégéが文脈を引き継ぎます。プロンプトごとに追加し直す必要はありません。同じ会話内であれば、追加の質問、比較、検索条件の絞り込みなどでも、そのタグを引き続き指定して利用できます。
タグに、通常プロンプトで指定するフィルターを組み合わせる方法もよく利用されます。たとえば、次のようなフィルターを組み合わせられます。
- オーナー(Owners) — タグに含まれる特許群を、指定した競合企業と比較します。
- 出願日(Filing Dates) — タグに含まれる特許群について、指定した期間の出願活動を確認します。
- 管轄(Jurisdictions) — タグに紐付けられたポートフォリオが、どの国・地域で保護されているかを確認します。
- 技術分類(Technology Classifications) — タグに含まれる特許群を、IPCまたはCPCで絞り込みます。
- 他のタグ(Other tags) — 整理済みの2つの特許群を比較したり、両方に含まれる特許を抽出したりします。
組み合わせられるフィルターは、上記の例に限りません。ここでは、プロンプトに追加できるフィルターの種類を例として紹介しています。Protégéのプロンプトに指定できる検索条件の一覧については、サポートチームにお問い合わせください。
以下に、上記のフィルターを組み合わせたプロンプト例を、用途別に紹介します。
タグを活用するプロンプト例
| 目的 | プロンプト例 |
| 競合とのベンチマーク分析(Benchmark) | 「タグ『[タグ名]』を、当社の主要な競合5社と比較して分析してください。当社が優位に立っている分野と、競争上のリスクがある分野を教えてください。」 |
| 2つのタグの比較 | 「タグ『[タグA]』と『[タグB]』には、技術分野でどのような重なりがありますか?」 |
| タグを基にした候補の拡充 | 「タグ『[競合ウォッチリスト]』を基に、過去3年間の出願動向から、新たに注視すべき企業を教えてください。」 |
| ライセンス候補との適合性評価 | 「タグ『[ライセンス候補]』に含まれる企業のうち、当社の特許と最も適合性の高いポートフォリオを持つ企業を教えてください。」 |
| ギャップ分析 | 「[技術分野]の主要な競合企業と比較して、タグ『[コアポートフォリオ]』に含まれる特許群には、どのような技術分野が不足していますか?」 |
| タグ内の出願動向の分析 | 「タグ『[コアポートフォリオ]』に含まれる特許の出願は、過去10年間でどのように変化していますか?国・地域別に示してください。」 |
| 経営層向けの要約 | 「取締役会向けのプレゼンテーションに使用できるように、タグ『[タグ名]』が持つ戦略的な意義を要約してください。」 |
よくあるご質問
プロンプトにタグ名を入力するだけで利用できますか?
いいえ。タグは、「+」または「/」で開くメニューから追加する必要があります。タグ名を入力するだけでは、通常のキーワードとして扱われ、分析対象はそのタグに絞り込まれません。
Protégéでタグを変更できますか?
いいえ。ProtégéはPatentSight+のタグを読み取りますが、現時点ではタグの作成、編集、付与、削除はできません。Protégéの会話内で行う操作によって、PatentSight+のタグが変更されることはありません。
同僚のタグを利用できますか?
はい。PatentSight+で既にご自身に共有されているタグであれば利用できます。共有されたタグは、「タグを追加(Add Tag)」ウィンドウに所有者別にまとめて表示されます。自分のタグと同様に、同僚のタグも分析対象の指定に利用できます。
複数のタグを選択できますか?
はい。必要な数のタグのチェックボックスをオンにしてください。アクセス権のあるタグであれば、個別に追加することも、親フォルダを選択して配下のすべてのタグをまとめて追加することもできます。プロンプトバーに追加した後、プロンプト内でタグを指定し、分析でどのように利用したいかを記載してください。
保存済み検索式(Saved Search)やカスタムフィールズ(Custom Field)を代わりに利用できますか?
現時点では利用できません。PatentSight+でユーザーが独自に設定した情報のうち、Protégéの会話の対象範囲を指定するために利用できるのは、タグのみです。保存済み検索式で定義したポートフォリオをProtégéで利用するには、あらかじめ対象の特許群にタグを付与する必要があります。
まとめ
タグには、競合企業の特許リスト、戦略上重要な技術分野、ライセンス候補のリストなど、時間をかけて判断した結果が反映されています。タグを選択してプロンプトを実行すると、自分やチームで対象として合意した特許リストに基づいて分析できます。組織で定めた対象範囲も維持できます。たとえば、あるタグから旧製品ラインを意図的に除外している場合、そのタグを対象とする分析でも当該製品ラインが除外されます。プロンプトに毎回その条件を記載する必要はありません。
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